約300年前に建てられ、上層農家の屋敷構え特徴を備えた「中村家住宅」。
この度の目的のひとつでした。
入口の正面には沖縄の石灰岩を積んだ“ヒンプン”があります。
「魔物はまっすぐしか進めない。」
沖縄では、悪霊や悪い気は角を曲がることができず、まっすぐしか進んでこないという言い伝えからつくられた塀です。
石の積み方には、当時の石工の美意識が感じられますね。
そして敷地をぐるりと囲む塀と福木(フクギ)の生垣は、台風のもたらす強風が家を直撃するのを防ぐため。
建築の高さを抑え、四方に屋根をのばす寄棟屋根の瓦を漆喰で固めた重たい屋根も、沖縄の気候風土から生み出された建築のかたちなのでしょう。
そして、プライヴァシーを守る目隠しの役目もあり、ちょうど外から家の中が見えない高さになっています。
庭での石の使い方、傾斜のある敷地に対する建物の配置もとても魅力的で、歩き回るのも楽しいのです。
これは北側の裏庭から見た屋根。
連なる寄棟屋根は台風への備えを重視してきたことがうかがえます。
建築の大きな特徴は、強い日差しや雨から家を守る「雨端(アマハジ)」と呼ばれる軒下空間です。
窓を開け放つと風が吹き抜けて、なんとも気持ちよさそうですね。
沖縄の赤土と泥で造られた赤瓦に白漆喰のコントラスト、屋根の上にはシーサーも沖縄らしい風景。
A.A


