伊礼智さん設計の、松彦建設工業さんのモデルルーム「京都サロン」にお伺いして、

松彦建設工業の松本社長から、「伊礼さんの設計手法やプレゼンの仕方、松本社長の工務店としてのあり方、経営戦略」等々、

3時間に渡って色々とお話し下さり、とても充実した時間を送ることができました。

最後は、最寄りの駅まで送ってくださり本当にありがとうございました!

 

 

この「京都サロン」は、全国版の建築雑誌ではおなじみの建物ですね。

建物とお庭で、坪160万円だそうです!

 

 

全国区ブランド+京都になると、「ここまでいくのか!」と驚愕しました。

お庭は、弊社のアトリエと同じ荻野寿也景観設計が手掛けています。

 

 

 

 

私が好きな建築家の一人で、伊礼さんも大変影響を受けていらっしゃる(故)永田昌民さんという方がおられました。

その永田さんに伊礼さんが「上手く設計するにはどうすれば良いのですか?」と聞いたところ、永田さんはずばりこう言ったそうです。

 

安藤建築設計事務所の設計理念にもなっている珠玉の言葉です。

 

 

「プランするにあたって土地を見に行ったとき、何を1番に見るか。

それは、ずばりここの土地でどこが1番景色が抜けているか、どこを開口にすれば、内と外が繋がり住む人が気持ち良くなれるのか」と。

 

 

この京都サロンの2階にあるリビングに上がった時、私は胸の奥で静かに伊礼さんの心意気を感じました。

 

 

この京都サロンで1番気持ちの良い場所は2階のリビングで、

そこから見える「西からの景色」は、山が広がり京都ならではの盆地だからこそ臨める美しい景色が広がっていました。

西といえども躊躇無くこの方向に大開口を持ってきた伊礼さんの心意気に感動を覚えました。

 

 

ここは住宅街で東も北も南も民家が迫ってきていて、なかなか気持ちの良い「抜ける景色」は臨めない…。

 

 

でもね、体感してみて、そんなに暑いとも不愉快とも思いませんでしたよ!

むしろ、西対策として、庇を設けたり、開口部に少し工夫をしたりしていたので、充分気持ちの良い空間になっていました。

西日を受けながらもこの景色を見ていると、本当にここに建てて良かったと、私なら心からそう思えます。

 

 

 

弊社も、「アトリエや南輝の家、浦安の家」は、深慮した末、北側に大開口を設けました。

 

 

 

私は確信しています。ハウスメーカーが作った「西や北は悪」は嘘であると。

 

 

 

むしろ、それに応じた対策さえすれば、住まい手が毎日気持ち良く過ごせる「内と外を繋ぐ、景色が抜ける場所」を大切にするべきである。

 

 

 

 

by  安藤洋介

 

 

(※上記3枚の京都サロンの写真は松彦建設工業さんからお借りしています。)