2㎥ほど、採石場から持って帰ってきた「大窪石」を、冬の冷水で、一つ一つ丁寧に素手で洗います。
量が量だったので1時間みっちり洗い続け、かなり手がかじかんだが、
素手で洗わないと泥が綺麗に落ちないので、そうする事にした。
こうして綺麗に洗い上げた石を、選定し易いように並べる。
安藤工務店の現場では、無駄話や講釈は不要なので、早速、問答無用で進めていく。
頼りにするのは、自分の腕と美的感覚だけだ。
最も大切なことは、
(最後はモルタルなどで接着させるのだが)
石の上に石を積み上げた時、
「接着していないのに、手を離しても石が落ちない」という、
「石同士の相性」を瞬時に見極める事が重要だ。
冷たい雨が終日降り続けたりと、かなり寒い日が続いたが、
安藤好みの「野趣溢れる」石積みの塀が完成した。
地域の沢山の方々からお声掛けしていただいた。
「この建築は、地域に愛されている」と実感する。
石同士の目地には、苔や多肉植物などを入れて、経年変化を愉しむ準備をする。
安藤工務店らしい「ラインの整った美しい建築」に、
「野趣溢れる」欅テーブルや石積みの塀を添える。
この絶妙なバランスで建築を造り上げるのが、
安藤工務店のセンスだ。
by 安藤洋介