安藤工務店の木製建具は、引き違いや引き込みではなく、
構造の柱を現わしにしてFIXガラスと片引き戸を組み合わせたものです。
これにはいくつか理由がありますが、主に「構造上で脆弱な部分を造らない」ことと、
「気密性を上げて熱損失を抑える」ことです。
引き違いや引き込みでこれだけの大開口を設けようとすると、屋根の荷重が窓上の梁や両サイドの柱に大きく架かってきます。
柱を立てることで、梁の荷重が柱に直接架かり、構造上の無理が生じないようにしているんです。
もうひとつは柱と框が一揃いになる「隠し框」にすることで、隙間風を防ぎ熱損失を抑えています。
ただし、隠すのは上下の框と戸尻側だけです。
戸先には引手や鍵等を設けるためにあえて隠すことはせず、使い勝手を優先しています。
戸先側には戸シャクリという溝を彫り込んでいるので、ひと手間もふた手間も掛かっており、
この窓まわりだけでも詳細図面を何枚も描いて納めているんです。
最近では入手困難なピーラーで製作した木製建具。
金物は堀商店の真鍮で揃えて、両サイドに引き分ける設計です。
ブルーシートが取れると印象が変わりますね。
主屋の外部まわりは完成に近づいてきました(^^)
もう少ししたら足場の解体です!
A.A