大きく分けて3つの事案に行き着くと思います。
・性能
・コスト
・意匠
ですね。
ずばり言ってしまうと、この3つを同時に叶える工務店・設計事務所・ハウスメーカーは存在しないと思っています。
ですので、その建築会社がどういう風に家づくりを捉えているのか、
何に重きを置いているのかを見極めていくことが大事になってくるように思います。
・「性能」とは、耐震性や省エネ性能。
・「コスト」とは、土地費用を含めた家づくりの総予算。
・「意匠」とは、デザインのことで、視覚で感じるもの。
(この意匠についてはかなり奥が深くて、最後は手触りや香りなど人間の五感へ辿り着くものと思っています。)
弊社の基本的な考え方としては、
「性能は決して疎かにはしないけれど、意匠性・住みやすさ、そして技術に裏打ちされた高品質を目指すことに重きを置く会社」であり、
昨今増え続けている「家とは性能なんだ!」と言い切ってしまうような…、性能のみを標榜するような会社さんには少々違和感を覚えておるのが正直なところです💦
よくよく物事を見てみると、目的と手段がよく入れ替わることがありますよね。
一言で性能と言っても目的を見失わないように、冷静に、バランスよく判断(採用する)ことが大事だと思っています。
マイホーム作りには、現実問題として最も大きいご予算(イニシャルコストやランニングコスト)も考えなけえればいけないし、
性能で言えば、
建築基準法をクリアした耐震等級1なのか、
長期優良住宅も取得できる耐震等級2なのか、
はたまた熊本地震でも耐えることができた耐震等級3なのか。
省エネで言えば、国が省エネ住宅として認めることのできる断熱等級4なのか、
いやその上のZEHか、はたまたHEAT20のG1かG2か、いやG3か…。
安藤工務店の仕様は、
・「耐震等級3」
・「断熱等級4~ZEHレベル」
・「高度な技術力と意匠性」
・「動線を基本とする住み易さ」
を基本仕様にすることが、クライアントを想うときバランスの取れた最善の選択ではないかと思っています。
勿論、クライアントのご予算に余裕があり、デザイン性も最高レベルが求められながら、且つ100~200万円予算追加できるのであれば省エネG1~G3も考えていけば良いのですが、
私がクライアントなら、総工費にもよるけれどそこにはそこまで費用を掛けない…。
「G1~G3=マイホームを通しての私の人生の幸福」には疑問を持っているからです。
私含めて、エコに反対な人間はいないだろうけど、
「地球規模でエコを考える=一次エネルギー」を見据えながら、バランス良くがマイホーム作りで大切なことだと思います。
建築家・吉村順三が生前に言った、
「建築に美しさを求めない声もあるが、建築に美しさを求めないのであれば私はこの業界にいようとは思わない」との言葉に共感致します。
25年前に木造建築の美しさに惹かれてこの世界に飛びこんだ私としては、
性能のみを標榜してしまう家づくりには、どうしても理屈上、腑に落ちないのです。
結論^^
「性能は、技術者である以上、いつの時代も追究するのは当たり前。
ただそこだけに注目してクライアントの大切なご予算を奪わないこと。
人の心を躍らせる精神性のある意匠性や、
静かな伝統美、
世界に誇る木造建築の職人の技術など、
そういったものをきちんとバランスよく、クライアントの大切なご予算を配分できるような工務店/設計事務所であり続けたいと強く思っています。
それが、住まい手の幸福に繋がると信じています。」
by 安藤洋介