刻みの準備を進めている一宮のM様邸には、現わしの化粧柱が数本あります。
「何の材でいくのか」貪欲に悩んでいました。
そんな中、今朝「あ、見つけた」という感じで出会いがありました。
これは、「魚梁瀬」と書いて「やなせ」と読むのですが、
50代以上の業界人でも知らない人がほとんどではないでしょうか。
しかしながら、この魚梁瀬(やなせ)の杉は、
高知の東の方で採れる文句無しの「名門中の名門」の材として、
全国にその名を轟かせていました。
日本の四大杉は昔から、
屋久杉
秋田杉
吉野杉
と、この魚梁瀬杉でした。
ただし、普請好きだった豊臣秀吉は、この魚梁瀬杉を一番の銘木として位置付けていたと記憶しています。
昔は高級邸宅では使われていましたが、近頃は全く見かけることがありませんでした。
なぜなら、これを使うだけの本式の日本建築がないからです。
しかもこの柱は芯去り材で赤杉、三方柾目です。
贅沢すぎる柱ですが、迷わず決めました(^^)
建て主も喜んでくれるはず。
早速、化粧柱として適材適所の向きになるように、
木目をしっかり読んで「番付け」をして帰りました。
安藤洋介