木製の布団干し・戸袋・小庇 (Y様邸)

まず、1枚物の源平杉で、小庇を作る。

 

 

 

 

「出」と「長さ」があるので、

「反り」を防ぐために、構造合板を特殊なボンドで固定して仕上げる。

後に、板金で仕上げる。

 

 

大屋根の軒の出は1メートルもの深さがあり、ほぼ雨はかからないだろう。

それでも小庇を設ける。

 

 

それは、雨をより防ぐことへの期待もあるが、

なにより、水平ライン(横の線)を整えていくのが、安藤建築設計事務所の流儀だから。

 

一般的には「縦へ縦へ」伸ばすことを考えるようだが、

安藤工務店は「横線を整えていくこと」を意識する。

但し、余計な「線」は絶対に入れない。

「引き算の美学」。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒノキの上小節4面超仕上げ材を、布団干しとして取り付ける。

 

 

意匠性を上げる為に、戸袋も作る。

後日、西粟倉村の源平杉を使い、押縁仕上げで造り上げる予定だ。

 

 

 

 

 

戸袋の下も、杉の上小材できちんと蓋をする。

下から見られても綺麗であるように。

見えにくい所ほど気を配る。

 

 

 

 

この布団干しの横棒の取り付け位置は、

布団を干しやすい為にあるだけではなく、

窓に腰掛けて身を預けたり、

肘をついて景色を眺めるにも丁度良い寸法にしてあります。

 

 

 

 

そして、板金屋さんと、1カ所1カ所、打ち合わせをしていく。

正確に、安藤工務店の意匠を伝えるために。

 

 

 

実は、布団干しのディテールには、

「綺麗に見せる方法」、「野暮ったく見えてしまう寸法」がある。

 

玄人受けするのが安藤工務店の家。

 

 

by 安藤洋介