奈良県桜井市にある

「談山神社」に、建築の講演会の帰りに寄って来ました。

司馬遼太郎が生涯こよなく愛した場所であり、
歴史的に見ると、後世の覇者である藤原鎌足が、中大兄皇子と共に「大化の改新」に向けて話し合った場所でもある。

 

さて、この檜皮葺の「十三重ノ塔」は、実は「平屋」の構造原理。

(五重塔も実は平屋)。

「軒の出」と「建築物」の比率を見ても、

中国大陸の建築の比率とは違うことがよく分かります。

圧倒的に日本建築の方が軒を出す技術も卓越している。

 

雨が多い日本だからこそ生まれた「軒を深くする技術」ですが、

軒の出が深いと建築はとても美しく成ることがよく解ります。

 

雨の多い日本で住宅を建築するとき、軒の出を確保することは「掟」のようにも思えてきます。

ということは、現代建築で「軒の出ゼロ仕様」にするときは、

本当の意味でその価値が分かった人が、ディテール図(詳細図)を描かなければいけない事を意味するのだと思います。

 

こうして足を運んで本物を見ると、

「内と外の関係性」が、理屈抜きでよく理解できます。

 

 

by 安藤洋介