Y様邸の屋根は主屋が和瓦葺き、離れがガルバリウム鋼板葺きです。
今回は主屋の瓦工事をお伝えいたします。
屋根の通気層を確保するため、杉野地板の上にさらに垂木を流しており、
屋根断熱、屋根合板を張り終えた屋根にアスファルトルーフィングで防水し、瓦桟を打って和瓦を葺いていきます。
瓦は【妹尾崎の平屋】と同じ愛知県(三河)産の三州瓦、軒先も真一文字軒瓦です。
鬼瓦を置かないすっきりとした納まりにしたかったので、
棟と隅木の「厚のし」の段数や「棟巴」を事前に打ち合せしており、役物を見せてもらうことに。
現在は「棟巴」と「のし小口止め」が一体となりのぺっとした下の形状のものしか作っておらず、考えていた形のものは廃盤に。
おそらく、瓦メーカーとしては施工の簡略化を狙った製品だと思いますが、イメージと随分違った仕上がりになってしまいます。。。
瓦の生産量2位のメーカーが、和瓦の製造から撤退しており、
瓦屋さんも、「平板瓦は葺くけれど、和瓦葺きはめったにしないからね。。」とのこと。
良い建築、本物の建築を造りたいのであれば、良い物や技術を応援していかなければいけない、と強く思います。
どうしても現行のデザインに納得がゆかず、手前の瓦を現場で加工して
「のし小口止め」を作ってもらい、奥の「無地棟巴」と組み合わせてもらうことに。
あみ笠巴と合わせて、安藤工務店特注で納めてもらいます。
イメージ通りの仕上がりになりました、すごいです!
瓦屋さんにも感謝です(^^)
棟や隅木の厚のし下の面戸漆喰は、昔ながらの白漆喰で納めています。
瓦の枚数は3000枚以上、風格有る佇まいです。
瓦屋さんからは、「瓦を載せていると結構揺れるもんだけど、工事中は建物がびくともしなかった。寄せ棟の平屋だからというのもあるかもしれないけど、とても頑丈な建物だね。」と言っていただきました。
A.A