三度目の「飛鳥寺」。
今年の初詣はどうしてもここに来たかった。
一度目、二度目に来たあの気持ちが忘れられなかったからだ。
小寒、ここに身を置くと何処までも心が澄んでいく。
不思議だ。
ここはまさに「古墳」から「寺」へ時代が変わった場所。
現存する世界最古の木造建築は「法隆寺」で、
この「飛鳥寺」は倭国最古の寺である。
その真裏には「甘樫丘」がある。
この丘に蘇我入鹿が邸宅を構え、
中大兄皇子・藤原鎌足と対立した後敗れ、
あの「大化の改新」が断行された場所である。
この後、中大兄皇子は有名な「天智天皇」となる。
この澄んだ空は、古墳・飛鳥時代のものと変わらないと思うとゾクゾクする。
なんとも言えない、この静けさと古都の匂い…。
「石舞台」や「キトラ古墳」にも足を運ぶ。
キトラ古墳は初めてなので興奮した。
この古墳の側面は、現代建築でもよく見掛ける「版築工法」で構成されているようだ。
驚いた。
日常生活からの逃避行とも言うべきか。
「せめて年始ぐらいはロマンを感じていたい」と想うので、
決まって私の年始は、古代文化に触れることから始まる。
「縄文、弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安、鎌倉」辺りの時代は、本当に面白い。
飛鳥駅から歩くこと25分。
古代を語る上で欠かせないキーパーソン・女帝「斉明天皇」。
そのお墓ではないかと思われる古墳がある。
胸を躍らせながら黙々と歩いたが、残念ながら大がかりな工事が始まっていて、惜しくも見られなかった。
数年後には、整備された古代史上最も意味のある古墳が見られるだろう。
本当に楽しみだ。
少ない正月休みではあったが、充分に英気を養えた。
義父にはいつも感謝している。
戦闘態勢100%だ。
by 安藤洋介