「祇園の家」を例に挙げて、
なぜ安藤が手掛けるお庭が美しいのかを理屈でご説明します。
ここは南の庭ですので、それを前提にお話ししますね。
まず、「寂然木」は東陽が当たり青く映えるので、葉が瑞々しく枝振りの良い常緑のソヨゴを植えています。
左手前です。
続いて「夕陽木」は、コハウチワカエデを植えています。
右手前です。
そして「正真木」は、モチノキをイメージして、枝振りの良い山採りのソヨゴを植えて、
アオダモで脇を固めています。
「飛泉障りの木」は、滝を建築に置き換えて考え、日本庭園に倣いコハウチワカエデ↓を植えています。
更に言うと、
木塀をつくって外界を遮断して視線をそこで止めさせ、「常緑樹」で壁をつくり上げます。
そして、季節感を感じられる「落葉樹」は、なるべく建築の傍に植えるのです。
生け花の技法の「真行草」も良いけれど、
更に風情のあるお庭を目指してここに至っています。
by 安藤洋介