山中や川のせせらぎを感じる静かな場所に、私好みの木造住宅を建てることはたまらなく好きだ。
もっと欲を言えば、私の究極は「市中の山居」でもある。
ただ、本気でこの「市中の山居」を実現しようとすると、
潤沢な資金がないと不可能なことも事実なのだ。
でも、贅沢な理想郷であると理解しつつも、いつも頑張ってしまう。
造り手としていつも心で戦っているのは、
現実の日々を送るための「住宅」の部分と、
それだけではない視覚や香りや癒される空間などの芸術性の意味を含む「建築」とのせめぎ合いだ。
いつも、こうやって予算以上のことをしようと思うから、1棟1棟本気で悩んで苦しむのだろうなと思う。
どちらにせよ、いつもぶれない事は、
どんな状況や環境や予算であれ安藤工務店が引き受けた以上は、建主のために「本物」を作りたいと思うことなのです。
安藤洋介