「Yチェア」を知るためには、ほんの少しその歴史を知る必要があります。
まず、「中国の明代の椅子」を見てみましょう。
ハンス・ウェグナーはこの椅子を直接見てインスピレーションを感じ、「チャイニーズチェア」を造ったとされています。
そのウェグナー作の「チャイニーズチェア」です。
「中国明代の椅子」によく似ていますね。「真似」などというものではなく、まさに「一流は一流を知る」ですね。
そして、「ザ・チェア」。
私の好きなジョン・F・ケネディ元アメリカ大統領は、腰が悪かったようで自分に合う椅子を探していたところこの椅子に出会い「この椅子だ!」と言ったことから「ザ・チェア」と呼ばれるようになったとか、ならなかったとか。
実際のところは、オスカーという人物が1950年代に名付けたようですが、ケネディファンとしては、前者の方が夢がありますよね(笑)
私も腰を痛めているので、Yチェアを購入するまでの間、随分と腰に合う椅子を探し回りました。ある神戸のお店で「ザ・チェア」に座った瞬間まさに「これだ!」と思ったのですが、軽自動車が1台買える値段だったので、あえなく断念致しました。
ケネディ元アメリカ大統領の颯爽としたジェントルマンとしての「印象」は、ウェグナー最高傑作と言われるこの「ザ・チェア」に座ることによって、更に効果をもたらせたのかもしれませんね。
この姿・いでたちは「品」そのものですね。
(大統領としての資質に賛否はあるかもしれませんが)それでもハーバード大学出身のバラク・オバマ前アメリカ大統領の品格も、この「ザ・チェア」を選び座って居るから、更に映えている様に見えます。
素直に、「格好良い」と思います。
ここにきて最後に「Yチェア」です。
ウェグナーの作品の中で、日本では最も売られた椅子です。
ここまで多くの日本人に受け入れられて来たのは、系譜を辿り分析してみるとほんの少し分かったような気がします。
「起源がアジアの椅子であったから」、なのかもしれませんね。
by 安藤洋介