他社さんの(安藤建築と似ているようで何か違うところは)、
この言葉に表現されたものに尽きるのだと思います。
これはもう、価値観や感性の問題なので、どうしようもないもの
例えば、経年変化で、木材の白木が黒光りして行ったり、
真鍮の鍵や釘が黒っぽくなっていったり。
これを経年劣化ではなく「経年美化」として捉え、それを愛し、普遍性を感じられる人が最終的に安藤に依頼してくださっているように感じています^^
それを私は、ほんまもんの建築と呼んでいます。
色々な方とお話ししていると、
現しの軒裏や、縁側が黒くなっていく様が「嫌」で、
「これを、樹脂(プラスチック)にできないのか」と言われる方もおられます。
その人達を否定しているのでは全くなく、ただそれを「美しい」と思えないのであれば、安藤の建築は駄目なんだろうと思うのです。
例えば、法隆寺や法輪寺、飛鳥寺なども、弁柄を塗った創建当時はさぞ美しかったことは容易に想像できますが、
千年以上経っても、いやむしろ現在の方が美しいというか…。
そういった意味でも、安藤はあまり着色しません。
「素地」色が一番美しいと思っているからです。
作り手の私としては勿論、竣工時が一番きれいな状態になるように持って行くのですが、
ところが私の本意はそこではなく、
引き渡したその日から春夏秋冬、年々味わい深くなる「ほんまもんの建築」を造りたいと思っているのです。
安藤洋介