生前、父が最も尊敬し、最期に励ましのお電話をかけてくださったある御方に、
どうしても伝えたくて、
「手紙」と「雄町の平屋の写真を数枚」、大変失礼ながら郵送しておりました。
拙い文章だけれど「自分の言葉」で、万年筆で、心をこめて。
なぜかしら、父に報告しているようで。
あまりに雲の上の存在なので、書いているときは夢中で、「これは一方通行だ」と思い込み、
こちらの住所を書くのを忘れておりました。
しかしながら、本日、ご丁寧なお手紙が私の元へ届きました…。
涙が出ましたね。
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ほんの一部、ご紹介させて下さい。
「ご丁寧な心温まるお手紙を頂戴し、胸が熱くなる思いがいたしました。」
「貴殿の尽力により、地域の景観やまちづくりが一層魅力的なものとなったことに、心より敬意を表します。」
「これからも、素晴らしい取り組みを通じて、より良いまちづくりに貢献されますよう、応援致しております。」
私はこのお手紙を何度も拝読しながら、
「この手紙に恥じぬよう、本物の建築を造り続け、真心をクライアントにお届けしよう」と思いました。
父が、生前私によく言っておりました。
「本物人ほど、一流人ほど腰が低いんやで」と。
”実るほど頭を垂れる稲穂かな”。
2年前、最後に父にこう仰ったそうです。
「安藤さん、私はまだ退くことはできないんだよ。
まだやり残したことがあるからね。
それは、岡山県で一番の企業になること。
だから、安藤さんも頑張って。
声を聞いたら安心したよ。また会おう」と。
父とこの御方は私にとって永遠のヒーロー。
いつか、こんな「静かに熱くて、優しい人」になりたいと思っています。
by 安藤洋介