今日からY様邸の大工工事入りです。

 

 

とは言っても、常に数棟の案件を抱えながらなので、どうしても週末は、事務所で打ち合わせや設計仕事が待っています。

そのため、急所の大工仕事を除いては、信頼している一番弟子に任せて木工事を進めていきます。

 

 

①今日の土台敷きではまず朝一に、「杭工事」と「基礎工事」の土木仕事から、「1㎜単位の棟梁仕事」に移行するためのある事をします。

基礎の上に「お家の全ての元になる墨だし」というものを行うのです。

簡単に1㎜の線と言っても、その1㎜の墨をノコギリで切るとき、「墨を残す」か「墨を切る」か「墨の真ん中で切る」かの3種類があります。

腕の良い大工は、全ての元になる「墨付け」・「墨だし」をなによりも大切にします。

 

 

②その墨だしをした後、ヒノキと松の土台を据えていきます。外部に面する土台は、特殊な機械で木材の中まで防蟻剤を注入させたヒノキを使います。

 

 

③基礎と土台の間には、基礎パッキンと言って、空気が床下で循環するための孔が空いた20㎜厚のものを入れます。

給排水管工事も、床下に潜って行うのは大変なので、ある程度、先行で管は流しておきます。

 

 

 

④土台と土台の隙間に、床下断熱材をきれいに敷き詰めていきます。

 

 

⑤その敷き詰めた断熱材と土台の上に、24㎜厚の針葉樹合板(水平面耐力壁に加算される)を、瑕疵保険で指定されたN釘で打ちつけて留めていきます。

(この合板の上に、床の仕上材である蜜蝋ワックス塗りのカバ桜フローリングを、特殊なボンドと、特殊な釘の打ち方で留めていきます。)

 

 

だいたいここまでの工程を、うちはいつも1日で施工しています。

早さはお金に直結し、丁寧さは信用に直結しますからね^^

どちらも、「適正価格で最高のものをお客様にお届けするために」譲れないものなんです

 

今日の大工工事初日を振り返ると、いつも通り厳しい仕事ができたので満足しています。

また明日以降も全業者さんに、良い意味での「緊張感」が生まれていくと思います。

 

見学会やアトリエにお越しいただいた人が、よく口にしてくれる言葉があります^^

「この建物は、なぜか分からないけど、スッキリしていて綺麗ですよね」と。

漠然と見た人が「なんか綺麗だ」と思わせる建築の精度とは、「指揮官から各職方に伝わる緊張感」から生み出されるものだと確信しています。

 

「見る人が溜息つくような、、思わず背筋を伸ばすような」そんなものを作ったろうといつも思っています。

 

by 安藤洋介