設計時の「消しゴム」は、トンボの

「モノライト」が良い。

 

 

 

私は、現場に棟梁で入るときも、ポケットには必ず「√(ルート)付きの小型計算器」と、「消しゴム」は忍ばせている。

耳にさす「鉛筆」は必ず2Hで、先は、墨差しのように「へら型」に削っている。

 

・「小型計算器」は、屋根の上などで場所を選ばず人間プレカットになれるように持っている。

携帯電話は、瞬時に計算できないし、ポケットの中が苦しい。

√(ルート)は、屋根勾配計算などで、ピタゴラスの定理などを用いる時、かなり役に立つ。

 

・消しゴムは、鉛筆をもっている大工なら必要だろう。

 

・墨付け時に棟梁が使う竹や鋼の「墨差し」という道具がある。先がカッターナイフの刃の様に並行に尖っている。

それは、指矩(さしがね)などの道具を当てがいながら墨をつける時、5㎜先でも同じ墨を引くためである。

鉛筆もそうでないといけないだろう。

19歳の弟子の頃から、そういう鉛筆の削り方をしている。

 

 

一時こだわって設計用のシャープペンを耳にさして現場で使っていたが、どうしても耳から外れて落ちるので、やめた(笑)

 

15年ほど前、当時72歳で現役の、それはそれはもの凄い研ぎ澄まされた仕事をする棟梁に出会った。

今まで私が見てきた大工の中で、群を抜いていて、圧倒的な仕事をする棟梁だった。

「ため息が出るような仕事」とは、こういうものかと当時思った。

今でも現場に立つときは、あの棟梁が心にいる。

 

「この仕事は、棟梁に勝っているか、負けているか」、、、

 

その棟梁も当時、設計用のシャープペンを使っていて、「あ~、考えることは一緒なんだなあ」と思った。

その棟梁と現場で、鉛筆の削り方や研ぎ物の話で盛り上がったのを、懐かしく思い出される。

 

by  安藤洋介