お正月は、(日頃)本を落ち着いて読むこともなかなか出来ないので、
正月前に買い込んだ20冊ほどの本を猛烈に読みあさって過ごしました。
そんな中、初詣と厄払いを兼ねて、
京都の「上賀茂神社」へ参拝して参りました。

滞在期間2日間とも、
極寒の吹雪模様でしたが(笑)、例年通り沢山の人でした。
職業柄?京都・奈良辺りのほとんどの建築は見て来たつもりですが、
まだまだ行きたい所は、歳を重ねるごとに、勉強する程に出てくるものなのですね。
私が日本で最も敬愛する建築家が「一度は見た方が良い」と、どこかの雑誌で仰っておられた「蓮華寺」に行って参りました。
これだけの人が集まる京都でも、「蓮華寺」に行くと数人の観光客しかいませんでしたが、
それでも私は、建築に携わる者として相当の衝撃でした。

お庭の前にある、高さを少し低く抑えられた「鴨居」、
そして、整然と一定の間隔で配置された「柱」。


お庭の足下には「苔」と「地被材」と「石」をバランスよく配置し、
1本立ちの木々なのにボリューム感があり、この広さを間延びさせず「奥深さ」を演出しています。

私にとって京都のお庭の中では、「建仁寺の潮音庭」か

この「蓮華寺のお庭」が今までで最も心に響きました。
ただ、建築越しのお庭を眺めたとき、この「蓮華寺」が圧倒的に素晴らしい。
「額縁庭園」とはまさにこの事。
最高レベルのお手本を見させていただきました。
年齢的にも、宿泊するのにそろそろ「俵屋」でも許されるかな(笑)と思ったのですが、
去年、造園家の荻野寿也さんが3年がかりでお庭を完成させた「京都セレスティンホテル」に宿泊しました。

月灯りのように、照明は上から木々を照らしていますね。


ちなみに、私が京都に滞在する時のほとんどを「京都三井ガーデンホテル別館」で宿泊しますが、
そのお庭も数年前に荻野さんが手掛けています。


百聞は一見にしかず。
一流の物や人から沢山のものをいつも頂いています。
「安藤工務店に」と仰って下さっている私にとって大切な方々に、
この「素晴らしさ」を、この手を通して形に変え、プレゼントしたいと思っています。
英気を養えたお正月でした。
by 安藤洋介