現場で兄と会うのは15年ぶり。

 

冬晴れの日、兄が現場へ遊びに来てくれた。

私が美観地区で古民家再生をしていたとき以来。

嬉しかった。

 

 

 

 

少年時代…、兄が中学2年生、私が小学6年生の時、二人はあるロックバンドに憧れた。

そのまま、60年代・70年代・80年代のグラムロック、ブリティッシュロックに傾倒していった。

 

 

二人とも音楽狂いの学生時代を送ったのだが、

兄はなんなく広島大学に行き、私はスポーツに没頭したせいか?勉強机に向かうことはなかった。

 

 

現場で私が煎れたインスタント珈琲を飲みながら、兄は面白いことを言った。

 

 

私:「音楽にしろ何にしろ、技術って向上するものだと思うんだけど、

でも、このバンドのファーストアルバムが結局一番好きなんだよね。

今でも聴いているよ。

声もハスキーだし、勢いがあるしね。」

 

 

兄:「そうだね、あのファーストアルバムは1枚目にしてすでに完成されているよね。

当時、彼らが持っていたものを全て出して、完成させている。

できないものとか、余計なものは全然入れていないよね。」

 

 

なるほど…。

とても腑に落ちた。

 

 

建築にも通じる。

 

 

冬晴れの空の下、二人で、りん木に座って話しをしたこの時間は、私の人生の宝物になるだろう。

 

 

by 安藤洋介