やればやるほどに思うことが…。
どの建築会社の社長より私は、安藤工務店を信じてくれたクライアントを想う気持ちは強い。
絶対的な自信はある。
だけれど、今まで私が知らなかった今までのクライアントの歴史や想いを初めて(改めて)感じた瞬間に、
ふと色々考えさせられます。
例えば、「お家を建てたい!」→「この土地にしよう!」→「安藤工務店にしよう!」という、ここまでに至ったご家族の想いや歴史を知った時。
建築のプロとして、その想いに応えるには「品質」と「設計」しかないと思っている。
「設計」はクライアントが見たまま、納得してくれたそのままです。
でも、「品質」は違う。
木造住宅の出来不出来の80%が「大工工事=棟梁」で決まります。
しかし、あとの20%は、(弊社でいう)45社の業者の力で決まります。
勿論、私のことですから、あるレベル以上の業社しか下請けにはしませんが、
それでも、その45社の品質を最高レベルまでもっていくには工事期間中はまさに「戦い」です。
度々、品質の「教育」は徹底しないといけない事に気付かされます。
現場に「元請けの親分」が居るのですから、業者の皆さんは、良い意味でピリピリして仕事をしてくれているのですが、
それでも「工事管理」は戦いだと思い知らされる。
木造建築の頂点にいた法隆寺の(故)西岡常一棟梁も「やればやるほど100点の建築は造れない」と仰っていました。
私も23年間木造建築に携わってきて未だかつて100点の家が造れたことはありません。
高見を目指せば目指すほど100点にはならない…。
いつだったか陶芸家の方と話しをした時があったのですが、
「安藤さんよくやるなぁ。私は完璧な物を作りたいから、色んな人が携わる建築はようやらんわぁ」と言われた時があった。
同感はしたけれど同時に憤りもあった。
「色んな職人・業者を束ねていってゴールに向かうからロマンがあるんや!」と思った。
「百工あれば百念あり、これ一つにするのが、真の匠の長なり」
安藤工務店の家でアフターが出た時は、他社のそれと比べてもらえれば、逆に安藤工務店の品質が良いことは分かります。
でも、そんな低いところは見ていない。
「完璧」な品質の建築を作りたい、とずっと思っているから。
安藤工務店のクライアントは、大変興味深い。
「資料をかき集めて、それらを机上に並べた上で消去法で決めていく」という事をしない。
「安藤工務店に決めるための裏付け材料」を探す作業はするけれど、でも「直感」を信じて安藤工務店に決めている。
私と同じなのだ。
「直感」はリスク。
そのリスクを背負っても安藤工務店に決めたその想いに、建築のプロとして応えたいといつも思っている。
ミクロorマクロで見ても、
「経済は感情で動く」とも思っている。
by 安藤洋介