月に数冊は本を購入するが、

 

完読するのは2冊程度…(汗)

 

 

仕事ではクライアントのお金は1円も無駄にしないのがモットーだが、

本購買時には、値段は一切気にしない。

どんな出会いがあるか分からないからだ。

 

(懇意にしているOHK本社の取締役Kさんは、月に10~20冊程度買い求め、数冊を同時進行で読みこなしているようだ。)

 

 

 

ともあれ、久しぶりの「名著」に出会った。

 

 

 

「人間工学」と「材木工学」の視点から、

生物としての「木」・文化としての「木」・歴史から見る「木」の真髄に迫る快著だ。

 

「現場と設計」では当代随一を誇る西岡棟梁と、

「建築学者」としてその名を馳せた小原名誉教授の共著であるから、おのずと超一流の本となるのは明白だろう。

 

これは42年前の初刊で、それ以降超ロングセラーとなり去年、全面改版となった本のようである。

英語圏でも幅広く読まれているとの事であったが、一読してその意味が分かった。

 

 

 

・なぜ歴史的に系譜を辿ると、日本は針葉樹で、欧州は広葉樹で、韓国は扱い難いアカマツなのか?

例えば、英国には「獣の王者はライオンで、木の王者がオーク」という言葉がある。

日本には、日本書紀に「堂塔建立はヒノキを使え」という言葉があるように、国によって特定の木と深い歴史があるが、それは何故か。

 

 

・日本の木彫仏の材質を見たとき、唐招提寺と嵯峨清涼寺の仏像群だけが広葉樹で、あとの日本の仏像群はヒノキが本流である。

(飛鳥時代はクスノキで後はヒノキとなる)。

この二寺の仏像群は、奈良~平安初期のもので、なぜ、この時期の物だけは材質が広葉樹なのか?

(ヒノキが特に枯渇していたわけではない)

 

 

・欧州のウイスキーの樽は「オーク」で、日本の日本酒の樽は「スギ」であるのはなぜか?

あと、木には水が通る「道管」があるのに、なぜ樽の液体は漏れないのか?

 

 

・単純に年輪を見ただけでは、木の歳や当時の状況は分からない。

例えば、地上では干からびそうになって木が苦しんだ年であっても、根が深くまで行き、地中で水分を充分に吸収していれば木が苦労した痕跡は年輪には残らない。

 

 

・巷で言われているような五重塔の心柱は浮いている、というのはファクトではない。

 

 

感動したので、

著者の一人である千葉大学名誉教授の小原二郎さんに手紙を送ろうと思ったが、2,016年に他界されていた。

この本を42年前に大変ご苦労な上で完成させていただいたこと、感謝致しております。

ありがとうございます。

 

 

by 安藤洋介